倫理という力 〜 前田 英樹


結構難しい内容なのかなと思ったけど、それほど読みにくい文章ではなかった。
話題はころころと変わるのだけど、「自分のところに来た仕事・課題・その他いろいろなものはいやがらずに、自分のところに来た理由があるのだから、まじめにやりましょう」と言うことだろうか。

哲学者の道徳学説は、人々を説得したのではない、すでに社会の圧力が従わしている道徳を、任意の観点から説明した。説明に感心した人々は、既に道徳に従っていた人々である。

道徳の無いひとは、道徳に気づく事無く、変わることは無い?

躾を欠いたままの技術教育は、まことに非効率的なものである。逆に、技術教育の裏づけが無い躾は、まことに不安定なものであり、すぐに馬鹿馬鹿しい頽廃を見る。

普通にうなづける。そのとおり。

ものの役に立つとは、物の性質がわかり。さまざまな性質の差異を見分け、要するに <物の学習> に長じていることと同じ意味のように思われる。だが、それだけではない。この学習に長じる者は、 「人と人との間」 を生きる知恵に優れる者である。

自然には、逆らおうとせず、どれだけ柔軟に対応が出来るかと言う事が問われる?

「木のクセを組む」 仕事は、多くの大工なしには決して行えない。一人の宮大工は何者でもない。そこで、木のクセと同じだけ多様な大工のクセ (腕自慢の大工ほどクセが強い) が、気のクセを組むことになる。

いろいろな人でものを作るときの面白さだと思う。