Internet Week 2008 (2008.11.26)


遅くなったけど、IW2008 に参加をしたのは 11/26 と 11/27 の二日間。


11/26は、IPv6ネットワーク構築 〜データセンタNW編〜IPv6ネットワーク構築 〜サービスプロバイダNW編〜IPv4アドレスの移転を本音で語る − ジェフ ヒューストンとビールを飲む会 に参加をした。




データセンタでの IPv6 構築の話を扱ったプログラム。

基本的な IPv6 ネットワークの設計、ホスティング事業者の IPv6 対応の話、IX の IPv6 対応の話だった。ホスティング事業者の IPv6 対応のセッションの部分のメモだけ書いておいた。

    • サーバのアドレスの設定方法
      • 手動設定
        • プラグアンドプレイは disable にして手動設定する
      • 自動設定
        • EUI-64 により下位64bit のインタフェース ID を自動生成
        • 匿名アドレス/一時アドレス
        • RFC3041
    • DNS
      • DNS 権威サーバ自体への到達性は IPv4 のみでも良い
      • EDNS0
        • 512byte より大きいデータ長に対応するための拡張
      • 同じ名前を使うデメリット
        • DNS検索過程において、壊れた DNS サーバが存在する可能性がある
        • IPv4/IPv6 の両方でサービスが提供されている場合、通信品質が低いプロトコル (IPv6) が選ばれる可能性がある
    • サーバのデュアルスタックとサービスのデュアルスタックは別
      • Middlebox を使ったデュアルスタックがおすすめ
    • Middlebox とは?
      • RFC3234
      • IPv4/IPv6 プロトコル変換
      • トランスレータFirewall、ロードバランサ、リバースプロキシ、CDN など
        • トランスレータ
          • IP層で変換する NAT-PT が主流
          • ただし、マスカレードはサーバ側では使用できない、静的変換を使う必要があるが、静的変換はアドレスの節約とはならない
        • ロードバランサ
          • DSR は利用できない
        • リバースプロキシ
          • プロキシサーバのデュアルスタック運用
          • バックエンドは IPv4 のみ、もしくは IPv6 のみ
    • サーバ自体を dual stack する方法は、現在の状況では敷居が高い
      • ソケットの開き方などが OS ごとの違いがあったりして、仕様が収斂されていない
    • IX
      • IX のアドレスのアサイン方法を統一したいと言う提案がある


主にアクセスネットワークの IPv6 化と言う事を扱ったプログラム。

実践的と言う点では CATV に関する話がとても良かったのではと思った。あとは FreeBit での VPN での IPv6 利用 (Feel6 (DTCP トンネル) と Emotion Link (独自 VPN) の話、日本国内のキャリアでの IPv6 対応に関する状況 (JAIPA 1,2,3案) と IETF で議論されている共存/移行モデルのセッションだった。


CATV のところのメモだけ書いておいた。

    • CATV の IPv6
      • DOCSIS
        • 国際標準というわけではない Cable Labs で策定された仕様
        • RF仕様、モデム仕様、プロビジョニング仕様など...
        • ATM を使用する仕様もあったが、いまは ether , IP が一般的
        • 1.0
          • ベストエフォート
        • 1.1
        • 2.0
          • 上りの帯域の拡張
        • 3.0
          • 2006/08 に 第1版 がリリース
      • CMTS (cable modem termination system)
      • CableLabs
        • MSO (CATV 局を複数運営しているところ) が中心となって設立した非営利団体
        • 策定した仕様は、ITU, IETF, ANSI, SCTE と言った標準化団体に提出
      • DOCSIS3.0
        • MULPI
          • ボンディング (複数波をたばねる)
          • IPv6 実装
          • Multicast 機能拡張
        • PHY
          • 物理レイヤなので、大きな仕様変更は無い、
        • OSSI
        • SEC
          • 以前は 3DES が使われたが AES を採用している
        • e-router (DOCSIS3.0 の仕様ではない)
      • DOCSIS3.0のモチベーション
        • モチベーションは、ケーブルモデムの管理アドレス (RFC1918) の枯渇
          • 現状は IPv4 プライベートアドレスが使用されている
      • DOCSIS3.0 導入 phase
        • phase 1 : ケーブルモデムのプロビジョニングの管理
          • DHCPv6 でのプロビジョニング
          • CM でも IPv6 転送
          • CM は IPv6 スタックを保有、すべての管理を IPv6 で実施可能
        • phase 2 : 残りの IPv6 機能、特に CPE へのサービス
          • CM に内蔵された e-router により IPv4/IPv6 対応
      • Bronze、Silver、Full
        • 現在、cisco 含めて、ほとんどは Bronze 認定だが、一社だけ Full 認定を取得している
      • 北米 MSO
        • comcast
          • フィールドトライアルをしている
          • core network の IPv6 (dual stack) 対応は完了
          • 既存加入者は、IPv4 のままで新規加入者に IPv6 に対応する
        • CPE への IPv6 サービスは 2010-2011 頃になると思われる
      • 日本の状況
        • bridge を使って IPv6 を通しているオペレータさんはいる


http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/prop-050-jp.html


ビールを飲みながら、prop-050 の IPv4 アドレス移転に関する Geoff Huston を中心にフリーな議論。IPv4 アドレスの移転自体についての大きな反対意見は無かったが、いろいろな意見が交わされた。

    • IPv4アドレス移転はどれだけの効果があるのか?
    • アドレスの所有者を証明するしくみが必要では?
    • アドレス所有者の履歴が必要では?

などなど