いのちの食べかた

http://www.rironsha.co.jp/special/series/main.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/465207803X/qid=1140855220/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-0682867-9626741

よりみちパン!セの「いのちの食べかた」を読み終わる。

この本を読む前で、タイトルを見ただけの時には、動物の命に対する事や、肉を食べる事についての道徳的な話の内容かと思ったんだけど、実際にこの本を読んでみたところ、この本に書いてあるメインの話はまったく違っていた。

TV のドキュメンタリー番組で見た事がある "小学生が豚を飼育する" と言う話とは別のもので、内容を薄っぺらく書くと牧場などにいる牛や豚がパックの肉になるまでの過程を知りましょうと言う話。
http://www.bk1.co.jp/product/2333037/review/434394
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4623038335/qid%3D1132492179/sr%3D1-1/ref%3Dsr%5F1%5F2%5F1/249-0682867-9626741


この本に書いてある事を大まかに書くと。。。

私たちの多くは、豚や牛が育てられて、スーパーや肉屋さんに、豚肉や牛肉が並べられるまでの過程 (特に豚や牛が解体されるところ) を知らない。
その事を私たちが知らない理由 (根源には、差別問題があると言う話が出てくる) は、そもそも知ろうとしないから、無意識に目をそらしているからで、それは思考停止状態につながっていきます。

と言った感じでした。

豚と牛がと場で殺される理由は、僕らが食べるからだ。ところが僕らは彼らの悲しみを知らない。見てみないふりをしてきたのだから。知らないのだから。
だから平気で肉を残す。残した肉はゴミ箱に捨てられる。

そうだな。最近ご飯を残す事が多いかも。反省。

この時代の名残がじつは今も残っている。その一つを例に上げよう。
ウサギの数え方だ。
一羽とか二羽だ。
江戸時代などに発布された禁制のほどんどは、動物はだめでも鳥については肉食を禁じなかった。

こういう由来があったとは知らなかった。

この頃に、死んだ牛や馬の肉の処理を任されていた人たちがいる。地方によって呼び方は様々だけど、多くの地域で「カワタ」などと呼ばれていた彼らは、死んだ動物の肉は「穢れ」であるとの考えから、「穢れた人」たちとされていた。

当たり前のことを、僕らが忘れてしまったとき、いじめや戦争はいつのまにか起こる。
その根底にあるのは「知らない」ことから生まれる差別意識だ。

オフィスが品川にあるから、東京都中央卸売市場食肉市場の近所で働いているのだけど、本当に知らない事だらけだよ。

とても大事で本質的なことだ。戦争は軍人や政治家たちが起こしたのではなく、日本がその方向に進むことを何となく許容していた日本人全員の責任なのだと。

映画監督の伊丹万作の「戦争責任者の問題」と言うエッセイを引用して