夕凪の街桜の国

こうの史代『夕凪の街 桜の国』

図書館で借りた "夕凪の街桜の国" を何回か繰り返して読んでみた。

ヒロシマの原爆をバックグラウンドにして、戦争直後の物語(夕凪の街)と、現代の物語(桜の国(一)(二))をすごく絶妙につなげているところがとてもすばらしい漫画だと思った。

いろいろなところでとてもすばらしいと話題になっている漫画なので、探せばいろいろと感想や話のあらすじが読めるんだけど、自分で気になった点だけ書いておこ。

  • 登場人物が静かにものを見ながら静かになにかを考えていると言った場面がいくつか出てくる、その時の登場人物の表情が、なんとも言えない感情を表していて心にしみる
  • 桜の国(二)の最後のコマにある七波(桜の国の主人公)と七波の父さんとの会話で、七波が 「またいらぬ事を知ってしまった!」 と父さんに言う台詞があるのだけど、この台詞には 『現代の人は、原爆を無意識のうちに "いらぬ事" にしている事はないだろうか?』 と言う作者の心が隠されているのではないだろうかと思った。